「レーザー治療」と聞くと、最新の医療や美容のイメージを思い浮かべる方が多いかもしれません。
眼科においてもレーザーは幅広く活用されており、白内障や緑内障、糖尿病網膜症、網膜裂孔などさまざまな病気の治療に使われています。
レーザーは手術と比べて体への負担が少なく、入院が不要なケースも多いため、多くの患者さんにとって身近な治療法です。
しかし、「レーザーって本当に安全なの？」「どんな仕組みで治療するの？」「どんな病気に使われるの？」と疑問に思う方も少なくありません。
この記事では、眼科で行われるレーザー治療の基本的な仕組みと代表的な治療法について、できるだけ分かりやすく解説します。

眼科におけるレーザー治療の基本的な仕組み

レーザーとは何か？

レーザーとは、特殊な装置で増幅された「単一の波長の光」のことを指します。
通常の光と違って直進性が強く、エネルギーを一点に集中させられるため、非常に精密な治療が可能になります。
眼科ではこのレーザー光を利用して「組織を切る」「組織を固める」「濁りを取り除く」などの処置が行われます。

レーザーが眼に作用する仕組み

レーザーの作用にはいくつかの種類があります。
例えば、糖尿病網膜症では「熱作用」を利用して網膜の異常な血管を焼き固めます。
一方、後発白内障では「光の破壊作用」を用いて濁った膜に小さな穴を開け、光が通る道を作ります。
このように、病気や目的に応じて使われるレーザーの種類や照射方法は変わります。

手術との違い

一般的な手術はメスで切開を行いますが、レーザー治療では切開を伴わないことが多いため、体への負担が軽く、感染リスクも低いとされています。
また、治療は外来で短時間で行えるケースが多いため、患者さんにとって取り組みやすい方法です。

代表的な眼科レーザー治療

後発白内障に対するYAGレーザー後嚢切開術

白内障手術のあとに「視界が再びかすむ」といった症状が出ることがあります。
これは後発白内障と呼ばれ、眼内レンズを支える膜が濁ることで起こります。
YAGレーザーを使うことで、この膜の中心に小さな穴を開け、光の通り道を作ります。
治療は数分程度で終わり、痛みもほとんどありません。

緑内障に対するレーザー治療

緑内障では眼圧を下げることが治療の基本です。
レーザーを使って目の中の水（房水）の排出を助けたり、排出路を広げたりする治療が行われます。
代表的な方法には以下があります。

レーザー虹彩切開術

隅角閉塞型緑内障の患者さんに行われ、虹彩に小さな穴を開けて房水の流れを改善します。

SLT（選択的レーザー線維柱帯形成術）

線維柱帯にレーザーを当て、房水の排出を促す方法で、点眼薬が効きにくい患者さんにも効果が期待できます。

糖尿病網膜症に対する網膜光凝固術

糖尿病網膜症では、網膜に異常な新生血管が生じることがあります。
これを放置すると網膜出血や網膜剥離につながり、失明の危険があります。
レーザーを使って網膜の一部を焼き固めることで新生血管の成長を抑え、病気の進行を防ぎます。
治療は複数回に分けて行われることが多いですが、失明予防に大きな効果を発揮します。

網膜裂孔に対するレーザー治療

網膜に小さな裂け目（裂孔）ができると、そこから硝子体が入り込み、網膜剥離を引き起こす危険があります。
レーザーを使って裂孔の周囲を焼き固めることで、網膜をしっかり固定し、剥離の進行を防ぐことができます。
早期に発見すれば、このレーザー治療だけで重症化を防ぐことも可能です。

レーザー治療の流れ

治療前の準備

レーザー治療を行う前には、散瞳薬を使って瞳孔を広げたり、点眼麻酔で痛みを感じにくくしたりします。
治療内容によっては眼圧を安定させる薬をあらかじめ使用することもあります。

実際の治療

治療中は専用の機械に顎を乗せて固定し、レーザーを数分〜数十分かけて照射します。
痛みはほとんどなく、光を感じたりチカチカする程度です。

治療後のケア

治療後は眼圧が一時的に上がることがあるため、数時間院内で経過を観察することがあります。
炎症を抑えるための点眼薬が処方され、数日〜数週間は使用する必要があります。

レーザー治療のメリットと注意点

メリット

入院不要で外来治療が可能なケースが多い
切開を伴わないため体への負担が少ない
短時間で治療が完了する
再発防止や進行予防に効果的

注意点

病気の種類や進行度によっては効果が限定的な場合がある
一度の治療で完了せず、複数回必要なことがある
炎症や眼圧上昇などの副作用がまれに起こる

レーザー治療は多くの眼病を助ける身近な治療法

眼科のレーザー治療は、白内障手術後の後発白内障や緑内障、糖尿病網膜症、網膜裂孔など、失明につながる病気を防ぐために欠かせない治療法です。
手術よりも負担が少なく、外来で気軽に受けられるのが大きなメリットです。
一方で、病気の状態によってはレーザーだけで改善できないこともあるため、医師と相談しながら最適な治療を選ぶことが大切です。
もし目の異常を感じたら、自己判断せずに眼科を受診し、必要であれば早めにレーザー治療を検討するようにしましょう。

筑後地区で目のことでお悩みの方は「龍眼科」へ

龍眼科は、昭和3年に柳川の地で開院し、96年間地域の皆様の健康を支えてまいりました。
当院は、小さなお子様からご年配の方まで、皆さまに安心して通院いただけるよう、快適な環境と様々な設備を整えております。
目のことで少しでも気になることがあれば、まずはお気軽に福岡県柳川市「龍眼科」へご相談ください。
どんな小さな悩みでも、お手伝いできることがあると思います。
信頼される眼科医療を提供し、これからも地域の皆さまに寄り添ってまいります。

龍眼科
〒832-0076 福岡県柳川市坂本町26-1
TEL:0944-73-0880